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「羽村さーん」
「あ、はいっ」
向こうのシマから、三浦さんの呼ぶ声。
すぐに反応して立ち上がると、目が合った。
手招きに導かれて、傍に寄る。
「何でしょう」
「今からちょっと出れる?」
「はい、大丈夫です」
「よし、じゃあ行こっか」
サッと立ち上がった三浦さんに、質問する。
「あの、どこへ?」
鞄を手に取った三浦さんは、浅く笑って言った。
「鳳凰堂。担当者替え、だってさ」
一瞬ドキッとしたが、すぐに平静を取り戻す。
「わかりました」と答えて鞄を取りに席に戻り、素早く会社を出た。
何故か、長瀬の方は、見れなかった。
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