【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

22/28

2619人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
  「改めてご挨拶するのって、何だか緊張しますね。鳳凰堂、神谷です。よろしくお願いします」 「こちらこそ、よろしくお願いします」 「よろしくお願いします……」 少し照れたように笑う神谷さん。 三浦さんはそれをしっかり受け、微笑み返す。 私だけ、少しどころではない緊張感で、言葉を返していた。 「神谷はもうご存知のようで。でしたら話は早いですね」 ニコニコしながらそう言ったのは、これまでこの案件を担当していた、小野さんだ。 恰幅の良いおじさん、といった印象で、朗らかな雰囲気に場が和む。 「ええ、いつもお世話になっていますので」 笑顔で返した三浦さんに、苦笑しながら神谷さんが答える。 「とんでもない、こちらこそお世話になってるんですよ。ね、小野さん」 「そうだな、+Dさんにはお世話になりっ放しだ」 ははは、と豪快に笑った小野さんの様子に、私の緊張も少しほぐれた。 .
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2619人が本棚に入れています
本棚に追加