【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

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  「……ですので、今回の企画としては……」 「それはつまり……」 「そうですね、その方向で……」 いつものように、打ち合わせが進められていく。 基本的には三浦さんが中心となっている案件だから、主に受け答えするのは三浦さんだ。 私も時折、デザイナーとしての意見を発言する。 代理店と制作会社。 お互いがお互いの事情を持ちながら、方向を定めていく。 一時間ほど話し合いを重ね、神谷さんがまとめに入る。 「……では、お願いします。今週末までに、お願いできますか?」 「ええ。でも、早めにというのは難しいです。遅くなると覚悟していただけると助かります」 「それはもう、こちらも無理を言っていますので」 「ありがとうございます」 にっこり、笑い合いながらもお互い牽制を飛ばす。 それもそうだ、と思う。 .
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