【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

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  「……羽村さん!」 三浦さんと並んで歩いていたら、突然、呼び止められた。 声の主は神谷さんで、私は困惑してしまう。 「……何かしら?」 「……さあ……」 小声で尋ねる三浦さんに、素直に答える。 私だけを呼ぶ、なんてこと、これまでになかったような、気がする。 不思議に思っていると、三浦さんの方から携帯の振動音がした。 「あ、ごめん、電話だ。ちょっと先行くわ」 「あ、はい」 私に断りをいれた三浦さんが、「もしもしー?」と携帯に応答しながら先へと歩いて行った。 それを見送ってから、呼びかけられた方へと向きを正す。 いつの間にか距離を詰めていた神谷さんが、私の目の前に立っていた。 .
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