【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

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  「……他の案件の状況は、いかがですか?」 「え?」 「これ以外にも、たくさん抱えてらっしゃる、とか」 「あー……、ええ、まあ。でも大丈夫ですよ、ちゃんと期日には間に合わせます」 「そう、ですか……」 「はい」 仕事の心配、かな。 神谷さんの質問からそう結論付けた私は、安心して欲しくて力強く答えた。 神谷さんは少し困ったような笑顔を浮かべて「そうですか」ともう一度呟く。 私はまたしっかりと頷き返した。 一緒に仕事ができて嬉しいです。 がっかりさせないように頑張ります。 心の中で決意して、にっこり笑った。 神谷さんも笑い返してくれた。 ……なのに。 .
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