1609人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
それだけ言って彼女はもうひとりと一緒に、第一営業部に入っていった。
「俺の部下か……」
湯気の立ち上るコーヒーを口にし、ブラックであることに頬が緩む。
ブラックで飲みそうに見えたんだろうな。
移動初日のそれも朝一から、なんだか良いことが起こりそうな予感を胸に、短くなったタバコの火を灰皿で揉み消した。
第一営業部で課長に紹介されると、ざわざわと皆が動揺の声を発している。
無理もない、どうみても課長より若いし、多分名前も聞いたことない奴が部長だと言っているんだから。
ここに来るまではグループの系列会社にいたから、ここに来るのはまだ2回目。
.
最初のコメントを投稿しよう!