海翔の恋心

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それだけ言って彼女はもうひとりと一緒に、第一営業部に入っていった。 「俺の部下か……」 湯気の立ち上るコーヒーを口にし、ブラックであることに頬が緩む。 ブラックで飲みそうに見えたんだろうな。 移動初日のそれも朝一から、なんだか良いことが起こりそうな予感を胸に、短くなったタバコの火を灰皿で揉み消した。 第一営業部で課長に紹介されると、ざわざわと皆が動揺の声を発している。 無理もない、どうみても課長より若いし、多分名前も聞いたことない奴が部長だと言っているんだから。 ここに来るまではグループの系列会社にいたから、ここに来るのはまだ2回目。 .
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