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セドリアより飛び出したカインは今、海の上にいた。
ロイを筆頭とした龍騎十により一路シュレイン王国を目指す。
そんな場合ではないのだが、雲はなく龍騎の出す速度が生み出す風はとても心地の良いものだった。
そして遥か先、シュレイン王国のある方角には暗雲が立ち込めていた。
まるでこれからの事を予測しているかのように暗いのであった。
そんなカインの心配を他所にカインの前にいるロイは話しかけてくる。
それはこれからの行動についてであった。
まず、最優先されることはアルフレッド、クライスの両名の救出であること。
本来であればロイも存分に手を貸したいのだが、正式な王国からの依頼があるわけではないので表立って動くわけにはいかないらしい。
下手をすれば国と国が交わした友好にもヒビを入れかねない。
その為にロイ達龍騎はカインを出来るだけサポートはするが、特別なにかが出来るわけではないらしかった。
そしてロイは頭を下げる。
あまり役に立てなさそうで申し訳ない、と。
ロイ「まぁアレだ、我々は君の護衛と君の移動手段程度だと思ってくれ。」
そういうロイにカインは首を振って、
カイン「いやわざわざこうして連れて行ってくれるだけでも助かりますよ、あとは自分らでなんとかしますから。」
そう言っては笑うのだった。
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