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そう思って冷蔵庫の扉を開けると、昨日作って冷蔵庫に入れた料理が、そのまま誰に触れられることもなく鎮座していた。
「はぁ……、冷蔵庫の中だし、まだ大丈夫でしょう」
念のためメモ用紙に作った日付を書いて、ラップの上から張り付けた。
これでよし。
「せっかくまた食材を買ってきたのに、このままじゃ傷んでしまうし、作って冷凍庫に入れておこう」
気持ちを入れ替えて、キッチンで唯一生活感を匂わす赤いエプロンを着けて料理に取り掛かった。
もちろんここは私の部屋ではなくて、恋人の佐伯祐輔の部屋。
19時になろうとしている平日の今、この部屋のどこかに佐伯がいるかどうかさえ不明。
書斎にこもっているか、病院にいるか、だいたい2つに1つ。
ここにいたところで何かが変わるわけでもない。
料理が出来てから書斎に行ってみることにして、まずはお米を洗う。
テキパキと玉ねぎをみじん切りにして、フライパンで炒め牛肉のミンチと、その他の材料を混ぜ合わせ、形よく整えればハンバーグのできあがり。
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