勝負の時

15/40
前へ
/40ページ
次へ
「駅」 『すぐ行くから待ってて』 「うん」 それだけの会話で電話は切れ、また静かな時間が訪れた。 たまにやって来るタクシーに、1人また1人と乗り込んでいく。 だけど私の順番が廻ってくるには、まだしばらく時間がかかりそうだった。 頭痛い……。 もうこのまま眠ってしまいたくなる。 「何やってんの」 不意に掛けられた言葉に顔をあげると、今日2度目の彼が立っていた。 「タクシー待ってる」 「雨に濡れながら?」 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1440人が本棚に入れています
本棚に追加