勝負の時

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ピンポ~ン……。 また今日もシーンと静まり返って返事もない。 「……はぁ」 鞄から鍵を取り出して鍵穴に差し込む。 ガチャッ。 右に回すと解錠の音だけが答えてくれた。 「お邪魔します」 全く無音の部屋に入り、サンダルを脱ぐ。 廊下を進んでも真っ暗で、リビングにもキッチンにも人の気配はない。 通い始めて数ヵ月のこの部屋は、最初に比べればましにはなったけど、未だに生活の痕跡が少ない。 モデルルームでももう少し生活感があるんじゃないかな。 鞄をソファーの横に置いて、スーパーの袋から食材を取り出し冷蔵庫へ。 .
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