勝負の時

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看護師がようやく私の名前を呼んだ。 呼ばれて立ち上がったものの、どうやら1人では歩けないらしくて、フラフラする体を陸さんに支えられて診察室に入った。 「幸恵ちゃんって古本って言うんだ……」 目の前の能天気な白衣姿にため息が出た。 「秀司くん、今それどうでもいい」 はいはい、と聴診器を耳に入れてこちらを見る秀司くんに脱力してしまう。 合コンの時とノリが同じに見えるのは気のせいだろうか? 後ろに立つ陸も、胡散臭そうに秀司くんを見ている。 「じゃあ胸見せて」 「いや」 「は? 俺一応医者なんだけど……」 驚いた顔をしてる秀司くんを無視して立ち上がろうとした。 .
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