勝負の時

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「どうしてここに来ちゃうんだろ」 "Earth"の前で一呼吸し、ゆっくり扉を開いた。 一歩踏み出すと、カウンターの中から陸さんが微笑んでくれる。 「いらっしゃい」 「来ちゃった」 カウンターに出されたコースターの前に座る。 「何飲む。スプモーニ?」 「マティーニ」 「了解」 いつもは軽口ばかり叩いている陸さんも、今の私を察してか口数は少ない。 出されたマティーニのオリーブを弄びながら小さくため息。 「1人で来るなんて珍しいね」 .
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