第2話

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もう部活も終わり、いつもなら風呂に入って、自分の部屋のベッドでゴロゴロしている時間なのに俺はまだ八華高校から八華駅までの道を1人で歩いている。 どうしてこのようなことになっているのか。 悪いことをして学校に残っていたわけでも、教室で寝ていたらいつの間にこんな時間になったわけでもない。 単純な話、友達と遊んでいただけだ。 そいつらはこの八華町が地元なので、こうして俺は1人で駅まで歩いているのだ。 全く1人でも俺を駅まで送ろうという良心を持ったものはいないのか。 しかし普段は高校生で混み合っている道を、今はたった1人で歩く。 どことなく寂しく感じる反面、結構気持ちいいものだ。 分からないだろうか、あの何となく優越感に浸れる感じを。 俺は何て小さい人間なのだろう。 みんな俺をあざ笑えばいいさ。
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