第2話

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「なんかくせぇ」 いつもと違う細い道を歩いているとどこかから異臭が漂ってきた。 ちなみに俺は独り言が多いが寂しい奴だと指を差さないで欲しい。 ともかく異臭が気になったが、漂ってくる異臭がどこから発生しているのかを探知出来るほど、俺の鼻は優れていない。 それでも人より結構敏感ではあると思うので、可能な限り息を止めてやり過ごすことにする。 悪臭が漂うところでは口呼吸も躊躇われるので、しばらく息を止めてから普通に呼吸をする、を繰り返す。 さっきより悪臭が強くなっている気がする。 全く最悪だ。 さっさと駅まで行ってしまおうといつもなら真っ直ぐ行く道を左手に曲がると、ぽつんとある切れかけの街灯の下、人が2人いた。 1人は立っていて、目の前の1人を見下ろしていて、もう1人は仰向けで寝そべっている。 その寝そべっている1人は、薄暗くてよく見えないが、40~50歳程のサラリーマン風の中年男性のように見える。 嫌な予感がした。 今の状況に理解が追い付かずじっと立ち尽くしたままでいると、見下ろしている人物と目が合った。
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