第3話

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ダメだ、いつものように無駄なことを考えようとしても、昨日のことが頭から離れない。 もしかしてこれは恋なのか。 ある人のことが気になって気になって仕方がないという点では、好きな人が出来た時と変わらない、はずだ。 好きな人が出来たことがないので何とも言えないが。 こんなことを考えながら家を出た。 始発列車はいつもがらがらで、必ず座ることが出来る。 適当に空いている4人のボックス席を1人で独占する。 すでに見飽きたのではないかと思える電車の窓からの風景を、それでも眺める。 優雅なひと時。 しかしそんな優雅なひと時を邪魔する昨日の光景。 いい加減うぜぇよ。 駅に着いたら、いつものように前にいた聖が俺を発見して待っていてくれる。 日常だ。
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