第1話

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俺は自分で決めたルールに従って生きている。 いまだかつて誰かの言葉に感動したり、影響を受けたりしたことはない。 だから説教を喰らってもそこで反省したことはない。 適当にうん、と頷いておいてその場はさっさと収集させるのが吉だ。 どうでもいいことは置いておいて、他人の言葉に影響を受ける感覚が全く分からない。 よく歌詞に共感して泣いた、それはまるで自分のことを言っているようだ、と思って感動するという話を聞くのだが、そういう感覚も全く分からない。 それでその歌が好きになるのだろう。 でも重要なのはファーストインプレッションじゃないだろうか。 初めて聞いたり、見たり、それで「これはいい」と思えたらそれは好きなのだ。 しまった。 またどうでもいいことを長々と考えていた。 しかし自分のこの癖は意外に嫌いではない。
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