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“何の?”
彼が言った言葉に疑問を浮かべた。
だけど口には出さず、コクリと頷くと彼の後を追って中に入った。
ゲームセンターの中は、かなり五月蝿く騒音で賑やかだった。
思わず耳を塞ぎたくなった私。
実はここは苦手な場所の1つなのだ。
後もう1つ、カラオケも苦手で仕方ない。
……でもゲームセンターに誘った彼。
どんなゲームをするのかには、少し興味があった。
そう思っていたら、彼がゲームセンターの奥の階段を上り始める。
私はクレーンゲームにカーマシーンに、スロットみたいなゲームの間を潜り抜けながらそんな彼に付いていく……
「ここのゲーセン、広いんですよね」
「友達とよく来るの?」
「たまに学校の帰りとかに、」
「不良ね」
階段を軽い足取りで上りながら、やっと会話らしい会話が生まれる。
少し和やかなムードに、強張っていた顔の筋肉も戻り始めた。
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