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「け、け、け、結構ですぅ!!!」
「またまた、遠慮しなくてもいいですよ?」
「してませんから!」
私は立ち止まる彼を追い抜かして、残りの階段を上りきった。
気がついた時には、三階に到着していた。
すると彼が目的のものを見つけたみたいで、「こっちです」と言葉を紡いで足を進める。
「ビリヤード?」
その大きな台を目にして、小首を傾げる私に彼はニッコリと頷く。
「でも、やったことないわ……」
「簡単ですよ」
彼はそう言うけど、私は首を縦に振らなかった。
「大丈夫。優しく教えてあげますって」
と後に続いた言葉にも、首を縦に振ることはなかった。
「無理よ。したくない」
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