174人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「分かりました。じゃあ出ましょうか?」
彼はそう言って、上ってきた階段をすぐに下り始める。
私って我儘なのかしら?
こうなることが最初から分かっていれば、彼について来なかったのに!
彼の後を追いながら、何だか惨めになってしまう自分。
顔には出さないけど、呆れて怒ってしまってるかもしれない彼。
そんな彼にこれ以上、言葉を交わすことが出来ないでいた。
それから一階に着くと、彼はゆっくりと振り返った。
「ちょっとトイレに行ってくるんで。先に外で待っててください」
「ええ……」
彼はそのままトイレに向かっていった。
私は視界を出口の方に向けると、ため息を吐いて重い足を突き動かした。
そこである場所に目が止まる……
……クレーンゲームだった。
大好きなリラッ○マの、ストラップ。
コリラッ○マまである。
限定品みたいで、緑色の洋服なんかを身に着けている。
可愛くてたまらない!
最初のコメントを投稿しよう!