2人だけの時間…

24/25

174人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
“いつの間に、獲ってくれたの?” その言葉を言わずして彼と別れた私。 電車のポールに身を寄せて、そのストラップを眺めていたら携帯がピカリと光った。 “メール受信中” その文字に、恐る恐る画面をスクロールさせると彼からメールが届いた。 ご親切にちゃんと登録までされていて、驚いた。 ―――――――――― そのストラップ、可愛いでしょ? お姉さんも意外と可愛いところあるんですね。 あ、赤外線で登録したんで、いつでも電話くださいね! ―――――――――― 彼からのメールを読むと、すぐに返信ボタンをクリック。 けど、その画面が作成されることはなかった。 妹の彼との……メールや電話のやり取りなんてありえない。 これ以上、泥沼にはまってどうするっていうの? これ以上、大切な妹を傷つけてどうするっていうの? ……暫くして最寄り駅に到着。 呆然となりながら、何かに後押しをされるように電車から降りた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加