174人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
朝、目を覚ますと、朝日を身体中で浴び干した。
このまま日射病にでもなりそうなぐらいにいいお天気だ。
後ろめたいことがあると、決まって次の日は雨だったのに……
何だか、天気に裏をかかれた気分になる。
そのまま部屋を出ると、視界にすぐ飛び込んできたのは彼女の満面の微笑みだった。
「おはよ、お姉ーちゃん♪」
彼女はそう言って、朝から何やら作業をしている。
フライパンを操りながら、器用に何かを巻いている。
菜箸を持つ手がぎこちない。
「……何作ってるの?」
私が恐る恐る聞くと、明るい笑顔で振り返った彼女。
“よく聞いてくれました” と言わんばかりのそんな顔。
「オムレツだよー! でも玉子を巻くのって、結構難しいよね?」
「私がやろうか?」
「いいよぉ! お姉ちゃんは座ってて。あたしがお姉ちゃんに朝ごはんを作ってあげたいんだもんっ!」
彼女は目を柔らかく細めて、そのままキッチンの方に向き直る。
最初のコメントを投稿しよう!