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そのまま腕に回ってきた手は、私の身体を振り向かせる。
視線が合うと、すぐに重なってきた唇……
木綿先輩から初めてされた感触。
“彼” とは明らかに違う感触に戸惑ったものの、私はそれを受け入れた。
でも瞼を閉じるとそこには彼の姿が、何度も浮かんでくる………
けどすぐに、ロウソクのように小さくなった。
こんな時ばかりは、彼を思い出したくないのに……
「っ……ん」
次第に口内が木綿先輩に犯され始める。
……深く、とても深く。
彼との浅いキスより、激しくて苦しくて、苦い大人のキス。
「理香っ……理香は俺のモノだ! だから……俺だけを見ていてほしい」
“私は木綿先輩のモノ”
背中がキッチンの流し台に打ち付けられて、悲鳴をあげる。
木綿先輩に支えられながらやっと立っている私は、それに答えてあげなければ、……と道を探す。
けど……
「やっ……ああ……」
気がついた時、……木綿先輩を突き飛ばしていた。
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