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その数十秒後、木綿先輩に居間へ誘導された。
そして腰を下ろすと、木綿先輩は重い口を開いた。
「俺は、森先輩の奴隷なんだ」
静かに開かれた口から、放たれたとんでもない一言。
意味が分からなくて顔をあげると、木綿先輩と視線が合ってしまう。
ピクリと眉を顰めた。
……そんな表情を目にしたら、まるで尋問をしているみたいに思えた。
「木綿先輩。いいんです……話したくないなら、何も聞きませんから」
「いや、いつかは話さなくちゃならないことだ。だから言うよ」
木綿先輩は覚悟を決めたのか、真っ直ぐに私を見つめてきた。
でもその中の黒目の瞳が、おどおどしていて今にも泣いてしまいそうな気がした。
この人の胸の奥底に抱えてる闇とは、何なんだろう。
この人を、笑顔にさせてあげられることは、私に出来るのだろうか?
「俺さ、昔……ある女の子を集団レイプしたことがあるんだ」
と言って木綿先輩の口から出たのは、信じられない言葉だった。
「実行犯は森先輩を入れた4人だったんだけど。俺は見張り役だったんだ」
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