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「そうだ! 私、桐原君がバスケしているところを見てみたいわ!!」
「あ、今話を逸らしましたね?」
と別の話題に持っていくと少し剥れた彼……
「まぁ、いいですけどね…」と言って、体の向きを変えた。
「でも今体育館に行くのはまずいです。実はオレ、今日練習サボったんですよね……」
と彼は赤い舌をチラリと覗かせて、とある教室へ足を進めた。
……サボったって?
そうだったの?
だったら早くそう言ってよね!
高校へ来るのは、また今度でも良かったのに!!
「ここがオレの教室です。理紗とクラスは違うんですよ。そしてこれがオレの机で……」
彼は1人でずっと喋ってくれている。
そんな彼はよく目が動く。
キョロキョロと新しいものを発見したみたいに、大きくなったり細くなったり笑顔だって絶えない。
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