174人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
心臓がバクバク鳴っている。
まるで壊れてしまいそうだ。
彼は私から、全く視線を逸らすことはない。
後ろへ追い詰められた私は、遂に下がれなくなってしまった。
すぐに彼に腕を掴まれた。
グイッ!
その瞬間、グッと唾を呑み込むと目頭に触れてきたそのキレイな指先……とても冷たかった。
「――何で、泣いてるんですか?」
「っ!」
そんなことを言われると、更に流れ落ちてくる涙……。
彼は眉を顰めて困ったような顔をした。
「お姉さん?」
「桐原君、この時間が永遠に続けばいいのに……そう思うことはイケナイことなのかしら?」
最初のコメントを投稿しよう!