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さっきの言葉は、本心からじゃないの?
私を奪い去りたい、って一瞬でも思ってくれたんじゃなかったの?
……軽い“冗談” なの?
私とあなたの気持ちが同盟したと思ったのは、やっぱり私だけの自惚れだったの?
酷い人――
冷たい人――――
彼は、いくつ期待させる言葉を持っているのだろう。
その笑顔の裏には、どんな顔をいくつ持っているのだろう。
すぐに教室を出ていった彼の後を追いながら、縮まったと思っていた気持ちが離れていくのを感じた。
その後ろ姿を目に焼き付けながら、唇を噛み締めた。
“もう、彼の前では絶対に泣かない”
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