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仕事の段取りを簡単に説明し、そして一通りやり方を教えたところで、配達に同行してもらった。
仕事内容は、市内の集配業務。
朝~昼の二回の配送業務と集荷業務をこなし、次の日の段取りがついて業務終了となるのだが……
キツイ……
半端なくキツイ……
業界でも屈指のハードさ。
辞めるヤツは後を絶たない。
彼もどうせすぐに辞めるだろう……
そう思っていたのであまり難しい話しはしなかった。
車内でのやり取り……
「あっ!俺さ、堅苦しいの嫌だから"コウジ"でいいよ」
「……で、コウジさんは前はどんな仕事やってたんですか?」
「ん?仕事ねぇ……ナイトとか、金融の回収員とか……」
「回収員って……簡単にはいかないでしょう?」
「いやぁ~みんな、ちゃーんと払ってくれるよ……スナックの回収が一番楽だったなぁ~
相手の会社に行って……
"スナックぷりんですけどぉー
〇〇さんいますかぁ~!
〇〇さぁ~ん!"
って大声で言うだけで、ほぼ回収出来たし……」
「あははははっ♪」
切れ長の目、端正な顔立ち。会話も相手を不快にさせる事がなく、ユーモアがあり、頭の回転も早い。
こりゃ相当モテるな……
そう思った。
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