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「……ん、ぅ」
背中をするりと撫でられる感触に目を開けると、思いの外間近に譲の顔があった。
薄闇にぼやける、体の線。
これ、夢?
なんて。
夢か現か確かめるように、そっと頬に触れてみる。
「……っ、ん…」
咲良が目覚める前から起きていたのか、瞬間きつく抱き寄せられ少し厚めの唇が咲良のそれに重なり、蹂躙しだす。
「…ぁ、んっ……起きて、た……んうっ、」
クスクス笑いながらうつろな目を譲がのぞき込んだ。
「……もう一回、いい?」
「……え、あっ……」
咲良が頷くより早く、ひたりと熱い塊があてがわれる。
「……だめ?」
訊かないで、解ってるくせに。
咲良は、答える代わりに、ゆっくりと譲に唇を寄せていった。
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