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これは、罰だろうか。
激しく動揺した思考の狭間で、ユイは自問する。
(これはあれか『お菓子くれなきゃイタズラすんぞ!』の日に通り掛かった仮装のおこちゃまにお菓子くれてやらなかったせいで。)
自問というよりは、意味不明な言葉の羅列と言えなくもない。
(それともそれとも、どーしよーもなく邪魔な手持ちゴミを購入場所構わずコンビニ備え付けゴミ箱に放り込んだせいっていぅああぁぁあばばばばばば…)
脳内言語は既に崩壊を始めている。
一枚隔てた扉の向こうから、ピンポンピンポン連打される玄関チャイム。
ガッチャガチャ、ガッチャガチャ無遠慮に音立てて回されるドアノブ。
(いやだ、ちょっと…!
なに、なんなの?やめてー!!)
自分の鼓動が煩い。
手が震えている、冗談みたいに。間違いなく足も震えていると思う。
事の始まりは、ほんの数分前だった。
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