髭の恋人 Ⅰ

9/35
前へ
/35ページ
次へ
さも当然のように言う雅樹さんに声も出ない。 「俺と付き合ってみる気ない?」 「ないです」 躊躇なく即答。 「酷いなぁ、ちょっとは考えてみてよ」 あんずの木についても、雅樹さんはこんな調子だった。 「たくさん彼女さんいらっしゃいますよね」 毎日のように見ているんだから嘘のつきようもない。 「あぁ、彼女達は何て言うのかな……金目当ての子達だからね。ただのギブアンドテイクの関係……かな」 ギブアンドテイク……。 それが意味するものとは……。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1510人が本棚に入れています
本棚に追加