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嬉しそうな声が頭の上から聞こえる。
そうだ、抵抗しなきゃ。
「離して下さい」
雅樹さんの胸を力一杯押してその腕から逃れると、クスクス笑われてしまった。
「何がおかしいんですか!」
動揺のあまり喧嘩腰で見上げても全く威力はないらしく、更に笑われてしまう。
「本当に可愛いね。ますます欲しくなったよ。じゃあ、おやすみ」
また今日もあっさりと帰るらしい。
手を離すのを忘れたおかげで、抱き寄せられるなんてハプニングはあったけれど、わざわざ歩いて送ってくれたことには感謝しなくてはいけない。
「わざわざありがとうございました」
「どういたしまして。さぁ、中に入って。外にいたら心配で帰れないから」
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