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無理をさせたい訳じゃないし。
「だ、大丈夫です」
「そう？」
酒井さんが大丈夫ならいいけど、ちょっと不安を抱えたままドアを開けた。
「いらっしゃい」
奥さんがいつもの笑顔で出迎えてくれて、俺の後ろの酒井さんを見て固まった。
「裕子、あれ？ 片岡さんと知り合い？ もしかして、片岡さんが言ってた好きな人って裕子なの？」
本人にまだ好きだって言ってないのに、先に言っちゃったよ。
「ええ、まぁ……」
否定するわけにいかないし、なんかグダグダ。
悪びれる様子もないし、天然じゃないかとは思っていたけど、やっぱり間違いない。
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