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痺れを切らした藤堂専務が間に入って、ようやく俺達の言い合いは幕を閉じた。
……かのように見えた。
がしかし、車で移動し始めても何だか嫌な雰囲気で、明らかにお互いを敵視してしまっていて。
「面倒臭い……」
「専務、どうかされましたか?」
自分達が気分を害していることに気がつかなかった。
もともとよく周りが見えて、冷静な俺をかってくれていたのに、明らかに専務が困惑している。
ニューヨークに着いたとたん、これでは先が思いやられる。
そう、専務が思うのも無理はなかった。
会社に着いてもぎくしゃくしたままでいると、専務がさっさと社長室に向かおうとしている。
「しゃちょうは15じにもどります。せんむしつのよういができているので、そちらでしばらくおまちください」
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