彼らだって恋をする

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それに気づいたのはマリアのほうで。 「わかった」 専務が了承したから、しょうがなく俺も従う。 マリアが社長室の一つ下の階へ誘導し、正面の部屋に。 手前にデスクが2つ、マリアと俺のもの。 奥にまた扉があり、そこが本来の専務の部屋のようだった。 ということは、四六時中マリアと顔を付き合わせるわけで、しかも2人きり。 息が詰まりそうだ。 はっきり言って犬猿の仲になりそうで、いつまで続くかわからないニューヨーク滞在に頭を抱えたくなった。 専務が自室に入ったため、早速2人きりになった空間で、空いているデスクに座ると、マリアが動き出し、また何か言ってくるのかと待ち構えていると、マリアは何も言わずに部屋を出ていった。 しばらくして戻ってきたマリアは、トレーにコーヒーを3つ乗せていて、俺の前にコーヒーと砂糖にミルクを1つずつ置くと、自分のデスクにも1つ置いて専務の部屋をノックした。 .
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