彼らだって恋をする

32/38
前へ
/38ページ
次へ
トレーに砂糖やミルクは乗っていない。 あるのはチョコレート。 既に専務の好みを把握していることに驚いた。 静かに専務室から出てきたマリアに、コーヒーを一口飲んでから視線を合わせる。 「コーヒーありがとう」 さっきまでいがみ合っていたから、何だか居心地が悪いんだけど、マリアは全く気にしていないようで。 「どういたしまして」 流暢な日本語で反してきた。 聞けば大学時代に日本に留学していたらしくて、日本語が上手いのにも納得。 話してみたら意外と悪くないなと思うようになった。 照れると髪を耳に懸ける仕草が何だか可愛くて、つい見とれてしまう。 .
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1541人が本棚に入れています
本棚に追加