彼らだって恋をする

38/38
前へ
/38ページ
次へ
* * * * * * 結局日本で合流してみれば、同じ時に違う場所で同じことをしていたわけで。 「結局俺達似た者同士ってことだな」 「お前と一緒ってとこが気に食わないけど、そうらしいな」 シャンパンからワインに変わったグラスを口にしながら、この数ヶ月間のお互いの近況を報告しあった。 環境が変われば人も変わる。 須藤さん一筋だった俺達にも、春を通り越して季節と同じ夏がやってきていた。 「で、なんで帰って来ること言わなかったんだよ」 彼女が出来たことはともかく、帰って来ることくらい連絡があってもいいようなもの。 「あぁ、専務が須藤さんを驚かせたいから内緒にするって……。片岡に言ったら絶対喋るから言うなって言われた」 「本当に専務は俺の扱い酷いよな」 聞き捨てならないセリフに怒ろうとしたが、裕子がクスクス笑っているからまぁ良いかという気になった。 おかげで須藤さんかなり驚いてたけど、びっくりするくらい嬉しそうな顔してたもんな。 「というわけで、マリアはまだ日本に友達もいないし、裕子ちゃんよろしくね」 「はい、こちらこそ」 もう一度4人でグラスを合わせた。 .
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1541人が本棚に入れています
本棚に追加