彼らだって恋をする

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「デート頑張ってくださいね」 「え?」 知らんふりしていればいいのに、つい反応してしまった。 やっぱりって笑顔で言われて、カマかけられたんだって気づいても遅いんだよね。 本当に須藤さんには敵わないよ。 やっと須藤さんへの片思いを卒業したと思ったのに……。 ちょっとひきつりぎみに笑顔を浮かべて手を振り、大急ぎで1階を目指す。 酒井さんを待たせたくないし。 こんな時に限ってなかなか来ないエレベーターを待って、ようやく待ち合わせの場所に着いた時には、すでに酒井さんがそこにいて、やっぱり階段で下りれば良かったと反省した。 「ごめん、待たせちゃって」 「お疲れ様です、私も今来たばかりですから……」 .
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