一番熱い夏

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携帯を確認すると、気を使ってくれたのだろう、メールが1件。 帰る時に電話しろと書いてあった。 「もう帰るの? ゆっくりしていけばいいのに」 食卓につく佐伯さんが自分のせいで帰るのかと心配している。 「仲のいい2人を見ていたら、海翔さんに会いたくなっちゃった」 でも、これが本心。 「じゃあ、もう外は暗いし俺が送っていくよ」 「部長が迎えに来るんでしょ? 仕事終わったの?」 「うん、帰る時に電話しろって。少し前にメールくれてた」 海翔さん以外の車に2人で乗ったりなんかしたら、たとえ親友のご主人とはいえどんな顔をするか目に浮かぶ。 お箸を持ったまま窺っている佐伯さんに、気にせず食事をするように促して電話を掛けた。 『もしもし』 .
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