一番熱い夏

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「屋上がビアガーデンになるらしいわよ。さすが新社長よね。あのRegaloからケータリングも出るらしいし。行かなきゃ損よね」 妊婦だからお酒が飲めないのに、翠さんはRegaloのケータリングに上機嫌だった。 「そうなんですか、じゃあ永遠さん達もくるんですね。楽しみです」 「永遠さんってあの?」 「そうです、あの永遠さんです」 翠さんも私達の結婚式で永遠さん家族には会っているし、Regaloのオーナーだということも知っている。 「花火も楽しみだけど、美味しい料理とイケメンが揃うと思うと、なんだか楽しみが増えたわね」 この大きなビルのどれだけの人が集まるのかはわからないけど、きっと楽しいに違いない。 こんなとき、幸恵も一緒に転職していればよかったのにと思わずにはいられない。 つい思い出したせいか、幸恵の声が聞きたくなって仕事帰りに電話を掛けた。 『もしもし』 「もしもし、私」 .
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