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「何があっても守ると…
だからマスターは…あの時…」
「あの時って…?」
「いつかは憶えてないですがマスターは僕に言ったんです
俺の事はいい
お前は逃げろと」
「……もしかしてハルのマスターさんも…」
「…信じたくはないですが…そうなのかもしれません、マスターは僕を庇って…」
そう言ったハルの顔は今にも泣き出しそうな顔をしていた
俺はそんなハルを見て思わずこう言った
「簡単に納得すんな!!」
「…オルヴァさん…」
「まだ少しでも希望があるならそれを信じろ
大事な人なんだろ?」
「はい…!」
俺はそう言わずにはいられなかった
きっと彼のマスターという人は死んでしまっている
そう思っていても俺には彼の希望を盗る権利なんてないのだから――
「オルヴァさん」
「ん?」
オルヴァさん
何でそんなに優しい事言うんですか?
きっとマスターは……
言わないだけで本当は分かってるつもりなんですよ
でも認めたくないんです
これはいけない事ですか―――?
「外にいきたいです」
「あぁそうだな
行こう外に」
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