小さな贈り物

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「おはよう」 まだ眠い目を擦りながら洗面所に向かう背中を見送って、目玉焼きを焼くために卵を取り出した。 朝食ができたタイミングで戻ってきた海翔さんと、いつも通りの朝のひと時。 なんだかあまり食欲がわかないけど、これから仕事だからと少しでも口に入れておかなくては。 「顔色が悪いな……」 「そうですか?」 体がだるい以外は特に気になるほどではなかったけど、毎日顔を見ている海翔さんの方が敏感に感じとるものなのだろうか。 「眠れなかったのか?」 たしかに海翔さんのお陰で若干寝不足ではある。 「誰のせいですか……」 核心に迫ることなくただの仲睦まじい会話に留まった。 .
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