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「ぁー、もう仕方ねぇから行ってくるわ…」
俺はげっそりしていた。
面白半分で兄貴が借りてきたホラー映画を半ば強引に…
「いや、あれは完全に強制的だろ…どこの兄貴が縛り上げて泣き叫ぶ弟を見て爆笑してんだよ、まったく……」
思い出しただけでも悪寒が走る…
とにかくグロテスクや恐怖を煽る映画、俺はそう言う怖いのが苦手…いや、大嫌いだ!
…が、それを理解していたはずの兄貴が
「アハハハッ!また泣いてるっ!」
「いやいや、そこで泣く?!」
と腹を抱え約一時間半と言う俺には地獄のように長い時間笑い続けた
「いやぁ、今日のお前も最高!けど、泣き叫んで疲れたろ?返却がてら空気でも吸ってこい」
縛って居た縄をほどきながら俺に笑いかけた。
「俺が借りてきたわけじゃねぇーだろ?」
鬱陶しそうな表情でヒラヒラと手を振ったが、
「じゃ、もっぺん観とく?」
と意地悪く微笑むもんだから…
断固拒否し、諦めた…
そう、年は一つしか変わらないのに、俺と兄貴の関係は天と地程の差がある…
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