あるまじき話

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「契約って何?社会勉強??俺、可笑しくなった?」 苦笑い浮かべる俺に悪魔は悪い笑みを浮かべ 『何、悪いようにはせんよ、ただ…』 と俯くと同時に ーギュルルルルー よく聞き慣れた音が響いた 「腹減ったって事?悪魔様なら何でも出来んじゃねえの?」 薄ら笑いを浮かべ首を傾げる俺に、恨めしそうな表情で俺に色々と説明し出した。 俺を選んだ理由は、何となく扱い易そうに見えたとか… (大きなお世話だ…) 今時を止めて居るのは、悪魔だと解って貰うためだとか… (確かに時を止めるとか…人間には無理な芸当だわな) 俺の周りの人には、悪魔だとバレぬように、普通の子供として脳を情報操作出来る魔法をかけるから大丈夫とか (いや、むしろ、何が大丈夫なんだよ…) 後は…悪魔界から出る際の条例が多々有るとか 一、人間界では人間に与えられたモノしか食べられない 一、人間界では悪魔本来の力の100分の1しか出せない 一、人間界では人間の魂を食べてはいけない 一、人間界では天使を見ても食べてはいけない 但し…例外は除く 一、人間界では力を使う姿を契約者以外に見られた時には罰が与えられる 一、契約者以外の人間に悪魔だとバレたら消滅してしまう ・ ・ ・ 等々…とまあ物騒な説明も沢山有ったんだが… 覚えきれねえよ…とりあえずは、その偉そうにふんぞり返ってる小悪魔ヴァンの社会勉強とやらに付き合わされるわけで… その悪魔様のお世話をするのが俺…って事か…『話は以上だ!契約成立だな』 ニコッと微笑む姿はまさに子供そのもの 「何だって俺がこんな事に…」 『何か言ったか…?そんなに嫌なら…魔界に送ってやろうか?』 ニヤニヤと悪い笑みを浮かべたヴァンは悪魔そのもの 「い、いえ…契約させて貰い…ます…」 後悔してももう遅い、悪魔と契約? 有り得ねえだろー! 『おい、お前!まだ名を聞いて無かったな』 「え?嗚呼…らい…松山 雷。」 『そうか、宜しく頼むぞ!ライ!!兎に角俺は腹が減った!!何か食わせろ!!』 「へいへい、かしこまりましたよ、ヴァン様」 力無く笑う俺にニンマリと笑顔を浮かべ右手を差し出すヴァン…俺は悪魔と握手を交わした この日から俺らの奇妙な同居生活が始まる
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