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私と幸恵の反論にもめげずに、佐伯さんはこれでもかとニコニコと言い訳を並べる。
「幸恵が心配なんでしょ?」
「うん、でもそれは藤堂さんも同じでしょ?」
さっきまで黙って頷いていた海翔さんが、更に大きく頷いた。
「そうですね、危ない車に乗せられるのも心配ですし、ぼぅ~としてナンパに連れ去られることも心配です」
「私の車は今日は乗ってきてません!」
口を尖らせて悔しそうにしている幸恵は、妊娠が発覚してすぐ佐伯さんに免許証を取り上げられたらしい。
誰だ! こんなヤキモチ妬きの男にしてしまったのは……。
声を大にして叫びたかったけど、自分達だから怒りのやり場がなくてがっくりうなだれた。
「こうなったら、いっぱい買い物してやる!」
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