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ケビンの店のカウンターで、俺は匠と肩を並べて飲んでいた。
俺はいつものクアーズ。
匠は今ではコーヒーではなく、赤ワインを飲んでいる。お酒はケビンに鍛えられたみたいだ。
「匠。カルテロのことは、前に少し話したよな?昔、俺と鈴音が追ってた組織だ」
俺が言うと、匠はワインを飲みながら頷いた。
「データ、見たんだろ?どうするんだ?これから、狙われるよ」
「分かってる。でも、あの組織は壊滅しなくちゃダメだ。じゃないといつまでもその繰り返しなんだ。
「壊滅。軍を率いて乗り込めばいいだろ?」
「簡単に言うなよ。それがまた大変なんだから」
俺は少しムッとして言うと、匠は頭をかいた。
「俺たちにもしものことがあれば、瑠生と美衣をたのむぞ、匠」
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