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2階にある部屋のドアは全部閉ざされている。罠がしかけられているとしか思えない。
「鈴音、離れるなよ」
スティーブが言うと、私はしっかりと頷いた。匠は目だけを動かして、この建物全体の気配を感じ取ろうとしているのが、私にもわかった。
「…上に誰か…いる」
匠が言うと、スティーブは舌打ちして、
「あいつは俺たちを待ってるんだ!決着をつけるために!」
と言って階段を駆けあがっていくと、匠が眉をしかめて、
「待てよ、ボス!罠かもしれないんだから!」
と言ってスティーブを追いかけて階段を駆け上がっていった。私も2人の後をつけていこうと階段を二段ほど上がってから、微かに、誰かの声が聞こえてきた。
泣き声?
子供?
女の子?
まさか、また瑠生を?それとも、美衣?!
私は声の方を聞き取ろうと耳を澄ませると、声はどうやらこの階からだ。
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