第10章 未来へ

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私が声を震わせながらそう言うと、カルテロはニヤリと笑って私の腕を掴んで顔を近づけてきた。 「息子がいるよ。まぁ、自分の子供はかわいいもんさ。だがな。家族だってなんだって、裏切る時は裏切るものだ。妻は普通の女だった。だが、俺以外に男を作って、子供を連れて逃げようとした。この私をコケにして、しかも警察に私を売ろうとさえしたんだ。この落とし前はつけなくてはならない。見せしめに、通りすがりのその女の子の目をくりぬいて、妻に送ったよ」 カルテロの言葉に、ゾッとして私は身震いした。 「あなたは最低よ!あなたを滅ぼしてやるわ!」 私は拳を振り上げてカルテロに襲いかかると、カルテロは私の腕を掴んで背中に捻ると、壁にドンッと強く押し付けた。
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