第10章 未来へ

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「タクミ・カサブール・ドミニ。コロンビア人だ。鈴音を離せ。俺はスティーブのように、甘くない」 匠が銃口をカルテロに向けたまま言うと、カルテロは驚いて匠を見つめた。匠は引き金を引き、カルテロの肩に命中した。 「クッ…!」 カルテロはさすがに驚いてよろけると、そこに爆竹のようなバチバチという音がして、スティーブと匠は顔を見合わせた。 「目をそらしちゃダメ!匠!とどめを…!」 と私が叫ぶと、カルテロは私の腕をさらにひねって、とうとう骨が折れた。 「キャアアッ!」 これは、拷問だ。私は自然と涙が出てきて、立っていられない。するとほかの部屋からか煙が立ち込めてきて、その階一帯が白い煙に包まれた。
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