第10章 未来へ

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親父たちの前で銃を撃ちたくない。ここは俺が生まれ育った町、家、部屋…。 そこを汚されたくない! 俺がそう思って立ちすくんでいると、鈴音が近くにいる男を蹴り倒し、 「しっかりして!スティーブ!」 と叫ぶと、俺は我に返った。すると、親父も負けずに別の男を殴り飛ばし、美衣を抱いていた最後の1人を鈴音が蹴り、おふくろが急いで抱き上げた。そいつを親父が腹をえぐるように殴りつけて、4人みんな、倒れてしまった。親父は俺を見て、 「スティーブ!守りたいものがあるんだろ?!」 と言うと、俺は息を飲んで親父を見つめた。おふくろも涙ぐんで、俺を見つめている。 匠も瑠生を抱いて部屋にやってきて、美衣と瑠生をソファーに寝かせると、俺たち3人はまたアパートを飛び出した。
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