第10章 未来へ

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電話を切ると、俺と鈴音は顔を見合わせた。 鈴音は、何も言わない。 でも、きっと同じ考えだろう。 「リバティーの方の倉庫のある埠頭のほうか?よし、すぐ行こう!」 匠が身を乗り出して言うと、俺はまたアクセルを踏み込んで車を発進させた。 マンハッタンを突き抜けるように走りながら、俺は目線だけで辺りを見渡した。 追っ手が減っている。 電話で話して、俺たちが逃げることはないと踏んだのか…。 ガソリンスタンドを曲がったあたりで、ヘリコプターからは見えないアーケイドがある場所に車を止めた。 「ボス?どうしたんだ?」 匠が尋ねると、俺より先に鈴音が振り向いて匠を見た。 「匠。あなたは、ここで、降りなさい」 「えっ」 「匠。あとは、私とスティーブに任せて」 鈴音はそう言って、穏やかに微笑んだ。
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